ピロリ菌が関連する胃の病気 胃潰瘍や胃がんだけではない!
様々な胃の病気を引き起こすと言われているピロリ菌。
正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ菌」。
ピロリ菌自体は1980年前後に発見されたものですが、様々な病気の原因ではないかと騒がれるようになってきたのは2010年以降からのように感じます。
実際、ピロリ菌が関連する病気にはどのようなものがあるのかをこの記事ではまとめておきたいと思います。
慢性胃炎
正式病名は「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」。
ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こります。
感染した状態が続くと、炎症が胃粘膜全体に広がって慢性胃炎となります。
慢性胃炎がその他の胃の病気へと進展していくため、胃の不快感などの症状がある場合にはすぐに病院へ行くことをオススメします。
萎縮性胃炎
慢性胃炎が長期間続くことで、胃酸などを分泌する組織が消失。
胃の粘膜が薄くなってしまい、萎縮することで「萎縮性胃炎」という状態になります。
こうなると胃液が十分に分泌されないため、
- 消化不良
- 胃もたれ
- 食欲不振
といった症状があらわれます。
胃潰瘍・十二胃腸潰瘍
胃の粘膜が傷ついて、露出してしまった状態。
この状態で胃液にさらされると、胃酸によって胃が傷つきます。
胃潰瘍や十二胃腸潰瘍が悪化すると、
粘膜がなくなった部分から出血し、吐血や下血といった症状とともに激しい痛みにおそわれます。
胃MALTリンパ腫
「胃マルトリンパ腫」と読みます。
胃の粘膜にあるリンパ組織に発生し、ゆっくり発育していく腫瘍です。
胃の病気としては珍しいもので、原因があまり明確になっていないというのが実際。
機能性胃腸症(FD)
胃もたれ・吐き気、胸やけ、嘔吐などが3ヶ月以上続きますが、内視鏡検査で何の異常も見つからないため、胃潰瘍や胃炎などではない。
それが「機能性胃腸症」です。
治療は、
- 薬物療法
- 生活改善
といったものがあります。
原因がわからないため、なかなか改善しないケースも多いのですが、
ストレスを取り除くのが一番の治療法だったりします。
胃ポリープ
持続的な炎症により胃粘膜の一部が増殖し、胃内腔に突出した病変。
無症状のケースが多く、慢性胃炎などによる検査によって初めて露見することが多いです。
胃がん
ピロリ菌と聞いて、真っ先に浮かぶのが「胃がん」ではないでしょうか?
様々な「がん」の中でも、罹患率・死亡率は上位となるため注意が必要です。
分化型、未分化型と癌細胞の成長度によって分かれ、悪性度の高さも異なります。
おわりに
いずれの病気にしても、胃の不快感が起こります。
それぞれに治療法や症状は違いますが、
悪化してしまう前に早めに医師の診察を受けて、適切な処置をしてもらうようにしましょう。
健康診断を定期的に行うことが胃の病気の予防の最善策です。
もちろん、健康的な食生活とストレスを減らすというのも大切です。
ピロリ菌の検査方法と除菌についてはコチラの記事をご覧ください。